健佑会について

病院長あいさつ

平成24年4月24日

いちはら病院 病院長 池田 耕太郎

「来る者、去る者」

4月23日、今年度の新人歓迎会を開催した。いちはらメディカルグループ全体の会であったので出席者は300名以上、うち新人は33名と盛大なものであった。社会人1年生が多かったが、なかには新たな決心のもと転職し仲間となった者もいた。宴会の席ということもあったが、彼らには入職当日の緊張した表情は既になく、新しい職場に順応している和やかな雰囲気が漂っていた。この入職後3週間が経過した新人達に林浩一郎名誉院長は「骨を埋める覚悟で働くように」と強烈な檄を飛ばしてくださった。自分は「3日、3週間、3年の区切り」を引き合いに出し、常に目標を持って仕事に臨むことを祈願した。

来る者がいれば去る者もいるのが世の常である。我々の施設も例外ではない。家庭の事情等で退職に至った者が相当数いる。理由が何であれ、退職届を受理するのは何とも忍びない。元来組織はピラミッド構造なので皆が退職せずずっと働いていく環境を作ることは容易ではない。どこかで誰かがリタイアしていくのは止むを得ないのかもしれない。そんなジレンマを感じていた。病院長就任当初は慰留に努めたりもしたが、たいていの場合退職届を提出する段階で本人の気持ちは固まり整理もついているようなので最近はムダな抵抗はやめるようにした。さらに「退職を惜しむ」のではなく「卒業を慶ぶ」と考えを改め、卒業生が日本中で広く活躍していくことで我々も益々発展するのだと自分に言い聞かせている。

閑話休題。前日の22日、東京の某ホテルにて恩師筑波大学整形外科落合直之教授の退官記念パーティーが催された。教授の母校、東京大学の面々、整形外科関連学会の重鎮、筑波大病院関連の諸先生方、お世話になったメーカーの方々等大勢が参集した。決して華美ではなく、落合教授のお人柄がそのまま直球で伝わる素晴らしい会であった。そこでご本人が述べられていたことは、「人とは違うことをやってやるぞ」というフロンティア精神溢れた言葉だった。有言実行、筑波大学では筑波大学次世代医療研究開発・教育統合(CREIL)センターを立ち上げられたし、東日本整形災害外科学会と関東整形災害外科学会の合同開催を指揮されたし、医学の基礎・臨床の場において3つの特許を取得されたし、どれも素晴らしい業績である。もっともユーモアたっぷりなところもあり、「筑波大学教授の退官パーティーはいつもつくば開催なので自分は敢えて東京開催にした」とか、出席者への御礼品の奄美大島黒糖焼酎については「特別な縁があるわけではなく、ただ何か変わったことがしたいという一心から用意した」など、最後まで粋な配慮をみせた。恩師には及ばずともフロンティア精神と実行力を見習おうと決意した日であった。